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<マイブログ>Vol.270 間主観(1)
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 昨年の第64回精神分析学会の発表の中に「間主観性」に関するものがあったので、それに関する書物を何冊か手にした。その中で大変ユニークに思えたのが、伊藤隆二著『間主観カウンセリング』(駿河台出版社)だった。
 著者は「臨床教育心理学」を専門とされ、臨床のカウンセリングに携わって来られた方である。あるとき、それまでの自らの考え方を方向転換せざるを得なくなるような来談者に出会う。
 その来談者が著者に「カウンセリングは来談者の話を聴くだけなのですか?私は自分の悩みを聴いてもらうだけでは不安です。あなたもこれまで深刻な悩んだことがあるのではないですか?それをどのように対応したかを聞きたい。そして、今ここで、あなたが私の話をどう理解し、何を思い、心に感じたのかを聞きたい」と問いかける。
 そのとき、来談者の中に生きるか死ぬかというような何か差し迫るものを感じた著者は、その要望に誠に答えるのが来談者のためになると感じ、自らの悩みの体験を語った。さらには、「どう生きるか」という人生観にも話が及んだ。
 その後、そのカウンセリング終結の際に、来談者が「この世に生を受けた意味を見出し、自分の人生を力強く生きていく勇気を抱くことができた」と語ったことが、このカウンセリングの有意味性を示している。
 その後、この体験をもとに著者は、来談者とカウンセラーとの「主観」の交わりが基盤としたカウンセリングを確立し、「間主観カウンセリング」と呼ぶことにした。
 自己開示など従来のカウンセリングの常識では考えられないことであったが、それを実施する他に「人生どう生きるか」というテーマもあり、「人生カウンセリング」というようなユニークさがある。

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